レイヤリングの事例(ガイドの服装)

さて、前回のブログからまた数か月空いてしまいました。
もう春のツアーが始まる!ってのに、ずっと置き去りでしたね。

 

今回は実際の季節ごとの服装例を自分で紹介したいと思います。
ツアーに出るときの服装です。

このブログを読んで、
「次にここのツアーに参加するときに参考にしよう!」
なんていう殊勝な方はごくわずかだと思いますが、重ね着の参考になれば。

A)前提としている条件
B)季節ごとの具体例

として書いていきます。

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A)前提としている条件

体感温度(寒い・暑い)は個人差があるので、以下の前提で分類します。
0.湿度
  北海道=乾燥してサラッとしている。という前提で書きます。
 ⇒湿度は本州に比べてだいぶ低めです。
  空気中にどれだけ水分が含まれているのか、が湿度です。
  しかも、その湿度も温度によって変わるので、ちょっと表現が難しい。
  まずは、「乾燥している」⇒「汗などの水分が蒸発しやすい」「冷えやすい」環境です。
1.外気温
  今回は外気温を参考にします。
 ⇒洞爺湖で、夏の最盛期の最高気温は32℃くらい。
  しかもその気温は例年2週間も続きません。
  7月や9月は最高25℃くらいです。
  なので、ここで暮らす人にとって30℃以上は、「暑くて我慢ならん」温度です。
 ⇒一方冬になると朝晩の最低気温は‐8℃とか。まれに‐16℃とか。
  冬季はマイナスが当たり前なので、私たちは寒さに慣れています。
  ※しかし、ほとんどの道民は
   「冬でも家の中20℃以上、外に出るときは車を事前に暖めておいて・・」
   的な暮らしをしているので、案外寒がりが多いのも事実です。
 ⇒つまり、気温は本州に比べて「夏も冬も総じて低い」、
  しかし、そこで暮らす人たちにはそれが「常識」なのです。
 ※だから、「どれくらい寒いですか?/暑いですか?」という聞き方は
  私たちの主観で答えるので、大いに誤解されます。
  「現地の最低/最高気温は何度くらいですか?」と訊きましょう。
2.運動する/しない
  基本、運動する前提で書きます。
 ⇒特に冬季のツアーなんかは、皆さんにとっては滅多にしない雪の体験。
  私たち道民にしてみれば、毎日の当たり前状態です。
  雪を歩くのも、外で風に多少当たるのも、みんな慣れっこ。
  冬季ツアー中のガイドはあまり運動にならないので、暖かな服装です。
 ⇒片や夏場は、皆さんにとって涼しい環境でも、私たちには暑い!
  なので基本薄着で対応していると思ってください。
3.私個人の例ですよ
  暑がりです。汗かきです。寒いのも比較的得意です(北海道民から見ても)。
 ⇒上の2には冬は暖かくと書いたけど、私は周りに比べれば薄着です。
  スキーのインストラクターが驚くときもあります。
  基本、「暑がりの汗かきさんがこの文章を書いている」と思ってください。

と、長ーい前提がある上での気温に合わせた服装例です。

 

B)季節ごとの服装の具体例

春(4月上旬~6月上旬)
気温;最高 10℃~20℃
   最低 0℃~10℃
   水温 5℃~15℃
長くて寒い冬を何とか乗り越えると、日々喜びでいっぱいです。
雪は解けるし、山菜は出てくるし、お花は咲くし。とにかく色がいっぱい!
直前までマイナスを経験しているので、3月では5℃で、4月は10℃で暖かいと喜んでます。
例年サクラはGW中に開花、5月中旬になってようやく木々に葉っぱが生え始める新緑です。

ベース;透湿性の高いTシャツやパンツ、速乾性の靴下
ミッド;高機能薄手フリース、トレッキングパンツ(カヌー・ネイチャーツアー共に)、
    化繊の保温ジャケット(寒い日には)
シェル;ゴアテックスの雨具上下(雨・風用)
⇒暑いときは脱ぐ。日中はベースとミッドを着た上にライフジャケットなど。
 休憩時にシェルを羽織る感じです。
 薄手のハンチング・ベレー・キャップなど適当に被る。


夏(6月中旬~8月中旬)
気温;最高 20℃~30℃以上
   最低 15℃~22℃
   水温 15℃~22℃
気温が一気に上がり、草は毎日伸び放題、森は濃い緑色になります。
仕事が忙しい季節。そしてバーベキューが楽しい季節です。
気温は一気に上がりますが、水温は徐々に徐々に上がっていきます。

ベース;速乾性の下着(ロンTとパンツ)
ミッド;朝晩用に高機能薄手フリース、サーフパンツ(カヌー)、
    夏用のトレッキングパンツ(ネイチャーツアー)
シェル;雨用にゴアのジャケット
 頭は夏の目印、サンバイザー!
⇒朝晩の涼しい時間帯に薄めのフリース、雨が降ったらレインジャケット。
 それ以外はロンT短パン、ギョサンで過ごす毎日です。


秋(8月下旬~10月下旬)
気温;最高 8℃~25℃
   最低 2℃~15℃
   水温 15℃~25℃
あっという間に夏は終わり、草刈の頻度も下がり、森の木々には実が付き始め、
気が付いたら紅葉が始まります。
このころは朝晩が急に寒くなり、日中はカラッと暑い。
乾燥しているからこそ、朝晩の気温差が大きい時期です。
夏の暑さ・暖かさを体が覚えているので、
感覚的には実際の気温よりも、ずっと寒く感じる時期です。

ベース;速乾性のロンTとタイツ
ミッド;薄手フリース、化繊の保温ジャケット(調整用)、
    トレッキングパンツ(カヌー・ネイチャーツアー共に、秋用)
シェル;ゴアの雨具上下など
 そろそろネックウォーマーをしている頃です。
 ハンチングで頭部からの熱放射をブロック!
 (髪の毛が最近非協力的になってきてる)


冬(11月中旬~3月下旬)
気温;最高 ‐5℃~5℃
   最低 ‐15℃~0℃
冬は積雪の有無、ツアーの種類、初旬、中旬、下旬により服装は大きく変わります。
最近になってようやく、Tシャツの上にダウンジャケットなどのレイヤーを羽織ると
中間にフリースを着るのと同等か、それ以上に暖かい!事を実感しました。
夜ベッドで寝るときも同じことですね。

絶景ツアー(あまり動かない)
ベース;中厚の速乾性ロンTとタイツ、中厚のウールソックス
ミッド;薄手フリース+薄手のダウンジャケット、
    冬用トレッキングパンツ
シェル;ゴアのスキー用ジャケット(保温はなし、車では脱ぐ)、
    スキーパンツ(保温はなし)
 ネックウォーマー・ビーニー
 テムレスは常に車の中で乾かしています。

スノーシュー(動くとき)
ベース;薄手の速乾性ロンTとタイツ、
    薄手のウールソックス
ミッド;化繊の保温ジャケット、
    下はタイツのまま
シェル;スキー用ゴアジャケット(休憩で着る)、
    スキー用ゴアパンツ
 ここにビーニーを被っている感じかな?
 グローブはテムレスか速乾のインナーグローブ程度

スキー(とても動くとき)
ベース;薄手の速乾性ロンTとタイツ、ライナーソックス
ミッド;化繊保温ジャケット、または薄手のダウンジャケット、
    スキー用の保温ハーフパンツ(めちゃ便利、軽くて暖かい!)
シェル;スキー用ゴアジャケット(ずっと着てる)、
    スキー用ゴアパンツ
    
 ここにフェイスマスクとヘルメット、ゴーグルで頭部は完璧!
 インナー付きのグローブは汗をかいたら取り換えが利くので便利です。

除雪機を使うとき(外はめちゃ寒、雪も良くかぶる、時折力業を使う)
基本は除雪機のエンジンにお世話になるので、寒いと思いがちですが、
たかだか10馬力、雪の硬さに負けてすぐに水平が狂います。
そんな時は「おりゃー!」と力で押し切るので、
終わってみると汗だくです。
2時間とかあっという間。長時間外にいる作業なんです。
ベース;Tシャツ、タイツ
ミッド;なし
シェル;以前紹介したプロノの冬用ツナギ(ボードも行ける)
ビーニー+ヘッドランプ
テムレスまたは超防寒ゴム手袋

こんな感じかしら?

結局1年中パタゴニアのお世話になってました。
もう本州の夏とパタゴニアなしには耐えられないかも。
このブログシリーズ、とうとう写真を1枚も入れれなかった。
写真撮ってみたけれど、洗濯皴とかが気になるもんですね。